こんにちは。
皆さんは日本の歴史に
興味はありますか?
歴史と聞くと
なんだか難しそうですが、
今の私たちの生活は、
昔の人たちの知恵や経験をいかして
ちょっとずつ改善されてきたからこそ
成り立っているものです。
いろんな失敗もあったと思いますが、
そのおかげで
今はより良い社会になり、
科学技術も進歩して
便利で豊かな生活を送ることが
できるようになりました。
また、今の日本は大きな争いがなく
平和に暮らせていますが、
昔は戦や戦争が繰り返されていました。
最近では、
世界で紛争やミサイルの実験など
平和をおびやかすできごとが
続いています。
戦争にならないためにも、
昔のことを学んで
「戦争になるとどうなるのか」や
「昔とくらべてどうよくなったのか、
またどう悪くなったのか」
など考える必要があります。
よりよい今と未来のために、
歴史を学ぶことは
とても大切なんです。
蔵人とは?読み方や意味をご紹介
ところで皆さんは
「蔵人」という言葉を
見聞きしたことはありますか?
日本史の勉強をしていると出てくる単語で、
平安時代頃に登場します。
「蔵人」の読み方は、
「くろうど」「くろうど」「くらんど」
などと呼ばれますが、
「くろうど」と読まれることが
多いです。
蔵人(くろうど)は、
字の示すとおり、
もともとは皇室の文書や
道具類を納めた
「蔵」の管理をしていた人たちで、
のちに作られる
「蔵人所(くろうどどころ)」
で働いていた人たちをさします。
蔵人所がつくられると、
天皇と天皇家の私的なことや
宮中の警備、
物の調達などの事務仕事まで
すべてのことを
蔵人が担当するようになりました。
今の言葉で言うと、
天皇の「側近」や「秘書」
といったところでしょうか。
とても重要な責務を負った人であること
がわかりますね
なお、「くらびと」と読む場合もありますが、
こちらは今回取り上げるテーマとはちがい、
日本酒をつくる酒蔵で、
杜氏(とうじ)とよばれる
蔵の主のもとで働く
職人さんたちをさします。
蔵人所とは?
では、先ほど出てきた
「蔵人所」とは何なのでしょうか。
「所」と付きますが
場所をさす言葉ではなく、
官職をさす言葉です。
平安時代の810年、
嵯峨天皇によってつくられた官職で、
令(法律)に定められた以外の
官職です。
この蔵人所がつくられたのには
理由がありました。
嵯峨天皇に対して、
元の天皇(=上皇)が有力者らと
手を組んで対抗していたため、
それを封じるために
天皇直属の部下をつくりました。
それが蔵人所です。
相手は元の天皇ですし、
手を組んでいる相手の藤原薬子と
その兄の仲成も力のある人たちです。
既存の官職では
スパイがいるかもしれません。
知られてはいけない情報なども
漏れてしまう可能性もあります。
そこで、
機密文書をあつかう
嵯峨天皇直属の部下たちが
必要となったため
特別職を置いたのが始まりでした。
その後、蔵人所には
蔵人頭、別当、五位蔵人、
六位蔵人などの重要な役職が置かれ、
重要で大きな組織となり、
その影響力も大きくなり、
なんと明治時代まで続いたと
いいます。
なんだか今でも会社や政治の世界では
ありえそうなことですね。
韓国ドラマでもよく、
悪い理事と悪い議員が手を組んで
会社をのっとろうとして、
主人公と仲間達が
なんとか阻止して会社を守る、
なんて話がありますよね。
平安時代と現代では
生活や文化は大きく変わっても、
人間って同じことを
繰り返すんだなと思いました。
まとめ
今回は「蔵人」について
取り上げてみました。
読み方も独特で
むずかしいかもしれませんが、
大人でも蔵人がどういう意味かを
しっかり記憶している人は
そんなに多くはないと思いますので
大丈夫ですよ。
いつか日本史の勉強を始めて
この言葉が出てきたら、
「天皇と元天皇がもめて、
スパイ対策で置いた天皇の秘書ね」
とでも思い出してもらえればと思います。
これから歴史を勉強するときには
ぜひ、そのできごとだけではなく
「どうしてそうなったのか」や
その背景などにも
目を向けてみてください。
きっと楽しく
歴史を勉強することができますよ。
そしてぜひ、自分たちの未来のために
そこで学んだことを
いかしてください。