漢方医学では、
健康をつかさどる「氣・血・水」
のバランスが乱れると
生理トラブルが起こるとしています。
専門的なお話をすると、
女性ホルモンには
「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と
「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2つが
生理周期に大きく関係しています。
生理後排卵日までの1週間に
エストロゲンの分泌量は増えます。
このエストロゲンは
妊娠の準備を進め
女性らしさをつくるホルモンであり、
このホルモンが分泌されている時期は
好調の時期となります。
そしてプロゲステロンは、
妊娠の継続をサポートし、
女性のからだを守るホルモンです。
排卵から生理が来るまでのこの時期は
不調な時期となります。
妊娠が成立しないと、
2つのホルモンは周期を繰り返します。
わずかな期間でホルモン分泌が変化するので
体調の変化が起こりやすくなるのです。
特に、プロゲステロンが急激に変動する
排卵後から次の生理が来るまでは
不調を感じやすい時期であり、
女性ホルモンの分泌のリズムが乱れると
生理不順にもなりやすくなります。
生理痛を緩和するためのすぐできる対処法5選!
生理痛で痛くてどうしようもない時、
薬以外ですぐに緩和できる対処法をご紹介します。
①カイロで下腹部と腰を温める
血行を良くすると、
生理痛の緩和に効果があります。
痛くなりそうだと感じたら
早めに温めておくと良いです。
②ツボを押す
三陰交と呼ばれる
足の内側のくるぶしから
指4本分上に位置するツボです。
三陰交を強く刺激をすると、
骨盤辺りの血行改善になります。
③歩く
歩く事で下腹部全体の血行を良くし、
痛みが和らぎます。
④おしりで歩く
お尻歩きで血行を良くする事で
生理痛の緩和になります。
ただし、生理中は経血量が増えるので
注意して行いましょう。
⑤お灸
血流を良くするお灸もおすすめです。
温熱効果で血行を良くすると、
生理痛の緩和に効果があります。
ただし、なかなか緩和されない場合は、
専門医に早めの相談をしてください。
また、毎月痛みがひどくなる場合も
同様に早めの受診が必要です。
辛い生理痛・・・痛む原因は?対処方法は?
生理痛が起こる原因は様々です。
自分がどのタイプか知っておく事も、
生理痛と上手に付き合っていく
対処法になります。
①生理活性物質の分泌量が多い
プロゲスタグラジンといわれる
ホルモンの一種があるのですが、
この分泌量と生理痛が関係しています。
プロゲスタグラジンの分泌量が多いと、
子宮の収縮が激しくなり
それに伴って強い痛みの生理痛が起こります。
このホルモンの厄介なところは、
頭痛・腰痛といった
下腹部以外の部分も痛みを誘発しまうことです。
②子宮の発達が未熟
・生理を迎えたばかりの女子
・出産経験のない若い女性
などは、子宮の発達が未熟で、
子宮の出口も狭くなっているので、
経血がスムーズに排出されにくくなります。
そうすると、子宮を強く収縮させて
血液を排泄しようとするので、
生理痛を引き起こす事になるのです。
子宮の成長や出産を経験すると、
子宮の出口が広がるため
生理痛も和らぐ場合があります。
③冷えによる悪化
体が冷えることで血のめぐりが悪くなり、
生理で経血が排出されるのも
滞り気味になってしまします。
滞ってしまうということは、
それを押し出すために
プロスタグランジンが多く
分泌されるようになるため、
子宮が強く収縮して
痛みが出てきてしまうのです。
④ストレス
強くストレスを受けてしまうと、
自律神経の働きを悪くしてしまいます。
自律神経はホルモンの分泌を
コントロールしている場所なので、
働きが悪くなると
血流が悪くなってしまい冷えが起こり、
そこから生理痛を引き起こし
悪化させるという悪循環になります。
生理を引き起こす原因に対処するために、
効果がある「食べ物」を
日頃から取り入れてみましょう。
✱冷えを改善しましょう
①生姜
②冬野菜や根菜類
白菜・ねぎ・ごぼう・れんこん
※トマト・なす・きゅうりといった夏野菜は
体を冷やすためおすすめできません。
③果物・ナッツ類
あんず・オレンジ・さくらんぼ・
グレープフルーツ、ナッツ類は
ビタミンEが豊富なため、
血流を良くしてくれます。
✱良質なたんぱく質を摂りましょう。
たんぱく質が不足すると
体の機能に不調が出やすくなります。
良質なたんぱく質を意識して
食べるように心がけましょう。
①鶏肉や羊の肉
体を温めてくれます。
②青魚
さんま・あじ・いわし
DHCやEPAを多く含む青魚がおすすめです。
血液をサラサラにしてくれるので、
冷え改善に働きかけてくれます。
③大豆製品
味噌・しょうゆ・納豆など
女性ホルモンのエストロゲン
と似た働きをする
イソブラボンが含まれています。
大豆製品からエストロゲンを補給する事で
ホルモンバランスを整えましょう。
✱不足がちな鉄分の補給
血液不足が冷えや生理痛の悪化につながるので、
日頃から鉄分の補給を心がけましょう。
プルーン・レバー・ひじきには
多くの鉄分が含まれています。
✱飲み物で緩和
食べ物だけでなく飲み物でも
生理痛緩和に効果があるものがあります。
ココア・ハーブティー
(カモミール、ラズベリーリーフ、サフラワー)・
少量のアルコール(ホット)
様々な生理痛緩和の食べ物、飲み物があります。
毎日の食事に上手に取り入れる事が重要です。
❤ 最後に ❤
逆に、生理痛をひどくしている
食べ物があります。
例えば、スナック菓子・揚げ物・スイーツ・
インスタント食品・ジャンクフード、
そしてチョコレートや
コーヒー紅茶などカフェインが入った飲み物です。
また、アイスなどの冷たいもの、
乳製品の取りすぎ、アルコールなど
も該当します。
糖分や脂質は血液をドロドロにしてしまうため、
血流が悪くなり生理痛を悪化させる事になります。
カフェインは体を冷やしてしまい、
乳製品の過剰摂取は
ホルモンバランスを崩してしまいます。
とにかく体を冷やさないよう温める努力と、
栄養が不足しない食生活の改善、
意識して生理痛が悪化する食べ物は控える
といったことを自ら行っていけば、
生理痛も和らいでいきますよ。