うつ病は日本人の4人に1人がなっているとされている、今や知らない人はいないんじゃないかと言い切れる有名な精神疾患です。
カミングアウトをしますと、
私もうつ病を患っています。
とても苦しくて、大変な病気です。
時々「心が弱いからうつ病になるんだ」と言う人がいますが、
そうではありません。うつ病は脳の病気なのです。
さて、今回紹介する映画は、うつ病をわかりやすく表現している3つの映画です。題名は「ツレがうつになりまして。」「それでも、愛してる」「マイク・ミルズのうつの話」です。
うつ病になった人の気持ちとは?大事な人がうつ病になったらどうすればいいの?そんな疑問を持った人に、ぜひ観てもらいたい作品です。
映画で学べる!うつ病がテーマの映画紹介
「ツレがうつになりまして。」
堺雅人さん演じる「ツレ」は、ある時仕事の重圧などでうつ病を発症します。仕事を辞めればうつ病は治ると思っていたのに、仕事を辞めても病状は一進一退。
宮崎あおいさん演じる妻は、どう接すればいいのか悩みながら、うつ病である「ツレ」に向き合っていきます。
ツレが激しく落ち込んでシャワーに打たれるお風呂場のシーンは、胸が詰まるような気持ちになりました。
「それでも、愛してる」
この映画は、うつ病に苦しむ会社経営者の夫と、その家族の絆を描いています。うつ病の苦悩や、家族との擦れ違いをとてもリアルに描いている作品です。
「マッドマックス」などに出演していて、タフなイメージを持っているメル・ギブソンが、ぬいぐるみを介して会話する繊細な夫を演じています。
「マイク・ミルズのうつの話」
マイク・ミルズ監督が日本のうつ病患者に密着したドキュメンタリーです。5人の男女の日常を、ありのまま映像に残しています。うつ病から抜け出そうと奮闘する姿がとても印象的な作品です。日本社会のうつ病を取り巻く現状も映し出されています。
この3つの映画を観て、うつ病は「心の風邪」ではなく「心の複雑骨折」なのではないかと思いました。
「心の風邪」という言葉には、「風邪だと思って早めに受診すること」という言い合いがありますが、「風邪なんだから早く治るだろう」という意味に捉える人も少なくありません。
うつ病はいつかは良くなりますが、風邪のようにそんなに早く治りません。治るまでに時間がいるのです。
紹介した3つの作品は、うつ病の症状をリアルに表している作品です。また、うつ病を発症している本人だけではなく、うつ病の人を支える周囲の人もリアルに描かれています。
レビューも好評なので、興味がある人はぜひ観てみてください。
家族、大事な人がうつ病になったらどうすればいい?
精神疾患は目に見えないので、いったいどうしたらいいのかと戸惑う人も多いでしょう。
うつ病は波がありますから、今日良くても、次の日は落ち込みが激しくなっているということがざらにあります。
本当に落ち込んでいる時、「頑張れ」や「できるできる」などの言葉をかけるのは控えましょう。重圧にしかなりません。ポジティブな言葉も、場合によってはうつ病の人を追い詰めます。
言葉はいりません。ただ隣にいてくれるだけでも、力になります。もし「もう死んでしまいたい」とうつ病の人が言ったら、「それは病気が言わせていることなんだ」と言ってください。
本当は死にたくなどないのです。ただ、消えてなくなりたくて、生きることが辛くて、死ぬことのほうが楽なんじゃないかと追い詰められているのです。
もし、どうにも手に負えないほど落ち込んでいたら、病院の受診を早めてください。主治医と相談し、抗不安薬などの薬の力を借りるようにしてください。
うつ病の人の様子を見ながら、気分転換に散歩に誘うのもいいでしょう。のんびりとした時間を過ごすことで、ストレスから解放されて心が少しずつ落ち着いてきます。
うつ病のあなたに伝えたいこと
うつ病で苦しんでいるあなた。長く暗いトンネルを、1人でひた走っているような気分になりますよね。
光が見えたと思ったら、すぐにどん底に突き落とされるような…、そんな苦しみを味わった子があるのではないかと思います。
生きるのが辛くて、この世からいなくなりたいと何度も願ったことも、きっとあるでしょう。私がそうでした。
けれど、これだけは言わせてください。暗闇があるから、小さな幸せに気づくことができるのです。日々喜びに囲まれて生きていたら、きっと気付かなかっただろう小さな幸せに出会えるのです。
どうか生きてください。この言葉は呪縛になるかもしれませんが、それでも私はあなたに生きてほしいです。
「抗うつ剤なんて効かないじゃないか」「病院に通って何が変わるのか」そう思っている人もいるでしょう。私も時々強く思います。けれど、自分で「自分は治るんだ」と信じなければ、変わるものも変わらないのです。
私も治療を頑張ります。「あなたと共に頑張ります。いつか治る日を信じて、今日を生きていきましょう。